大切なのは、同じ志を持つ人間同士として接すること
-医療法人アンリー・デュナン会-

アンリー・デュナン会は、北海道の北空知地域を中心に病院や介護老人保健施設、グループホーム、デイサービスなど、計11の施設を運営する医療法人です。2012年度より外国人材の受入れを始め、現在は15名以上の外国人材が働いています。法人事務局長の深沢さん、看護部長の田村さん、外国人材の方を交えて3名にお話をうかがいました。

大切なのは、同じ志を持つ人間同士として接すること
大切なのは、同じ志を持つ人間同士として接すること

“我々は労働力を呼んだ。だが、やってきたのは人間だった”

これは移住国家スイスの作家マックスフィリッシュ氏の言葉です。この言葉が外国人材を受入れ、一緒に働く際の指針にしている言葉です。日本人とか外国人とか、そういうことではなく、お互いに一人の人間として接する。あくまでも対等に、人間対人間という意識で接することで、さまざまな課題を共に乗り越えられると考えています。
私たちが外国人材の受入れを始めたのは2012年からです。2012年度に3名受入れたのをきっかけに、累計で15名以上の外国人材を受入れてきました。
北海道の田舎のほうに施設があることもあり、地域全体で高齢化が進んでいます。若い人材の応募もほとんどない状況。それを打破するために理事長の指示の下、外国人材の受入れを考え始めました。
当初は、毎日外国人材とカンファレンスをして、分かるところ、分からないところを明確にしてもらう、同じ職員が一緒に行動して1から10まで細かく指導していた、という経緯がありました。そういった取組みを続ける中で、たとえば「抽象的な言葉を使わない」とか「具体的に主語と述語を明確に話すように」などのノウハウが現場に蓄積されていったわけです。
今では、外国人材に対して身構えることなく接することができるようになりました。外国人材を労働力として見るのではなく、一人の人間として接すること。コミュニケーションを大切にして、一緒に働く仲間として受入れることが、何よりも大切だと感じています。それは結局、日本人を採用する際でも変わらずに大切なことなのではないでしょうか。

“我々は労働力を呼んだ。だが、やってきたのは人間だった”
“我々は労働力を呼んだ。だが、やってきたのは人間だった”

コミュニケーションを通して、相手の人間性を理解する

私たちが受入れている外国人材は、現場の感覚として、施設の利用者にとてもフレンドリーに接してくれます。おおらかな人が多く、人見知りすることなく接してくれ、ホスピタリティが身に付いている。そういった意味では、介護職員に向いている人が多い印象です。利用者の家族とも積極的にコミュニケーションをとってくれますし、介護福祉士の試験が迫ってくると試験の応援をしてもらったり、施設全体で家族のような感覚になっています。
グループホームで働いてもらっている外国人材は、母国の料理を自分でつくって利用者に提供するといったこともしています。そうすることで、利用者とのコミュニケーションも深まっているように思います。
実際、外国人材を受入れるようになって、いい影響がありました。施設で働く日本人も「彼ら、彼女らががんばっているから、自分たちもがんばろう」といった声も聞かれます。職場のクリスマス会などでダンスを踊ってもらったり、盛り上げてもらうこともあります。そういうことをする中で、彼ら、彼女らの人間性が理解されていっているように感じます。
あとは、年齢も大きいですね。特に地方に行けば行くほど若い人を採用するのは難しくなっています。私どもの施設がある場所も学校が閉校になるほどなので、まず若い人は採用できません。しかし、介護の現場では体力が必要な仕事も多いので、そういった部分でも助かっていますね。

コミュニケーションを通して、相手の人間性を理解する
コミュニケーションを通して、相手の人間性を理解する

優しい手や眼差しなど、外国人も日本人も変わらない

現在、在留資格「特定技能」を持っている外国人材が4名働いています。コロナ禍もあり、日本国内で働いていた人たちを採用した形になります。そのため、日本語能力や仕事面でも即戦力という印象が強いです。仕事内容もほぼ覚えている状態で入職していますから、ひとつひとつの仕事の流れを教えて覚えてもらえばまったく問題はありません。日本語も問題なく会話できます。ただ、地方で働くという中で、方言をなかなか理解できない、ということはありますね。覚えた日本語と違うので、戸惑う部分はあるようです。
また、在留資格「特定技能」で採用を行った際に、一人ひとりと面接段階で話ができたことが良かった点です。私たちは外国人材を採用する際に「優しくて笑顔がいい」ことを採用基準にしているのですが、面接時に話をすることで自然な笑顔を見られるので安心できます。人材を紹介してくれるパートナーによるのかもしれませんが、今後も積極的に利用したい在留資格だと考えています。
最後に、これから外国人材を受入れようとしている企業様へ、私たちの考えを伝えたいと思います。
私たちは医療介護業界の仕事なので、患者さんや利用者さんにすべきことは日本人でも外国の方でも変わらないと考えています。優しい手とか眼差しだとか、そういったことはどちらが優れているということはありません。だからこそ、私たちは外国人材に入職してもらってよかったと思っています。
最初に申し上げた通り、「我々は労働力を呼んだ。だが、やってきたのは人間だった」。この言葉に尽きると感じています。

医療法人アンリー・デュナン会

1960年に深川第一内科を開業。1979年に医療法人アンリー・デュナン会を設立。その後、老人保健施設やグループホーム、デイサービスなどの施設を開設し、現在は計11の施設を運営している。2012年より外国人材の受入れを開始した。

オンラインインタビュー時の様子(左から:深沢さん、ジェリンさん、田村さん)

1960年に深川第一内科を開業。1979年に医療法人アンリー・デュナン会を設立。その後、老人保健施設やグループホーム、デイサービスなどの施設を開設し、現在は計11の施設を運営している。2012年より外国人材の受入れを開始した。

オンラインインタビュー時の様子(左から:深沢さん、ジェリンさん、田村さん)